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Kinzaのロゴはどうやって生まれた? デザイナーACOさんインタビュー

こんにちは、Kinza開発チームです。

今日は、Kinzaのシンボルであるロゴマークをデザインしてくださった、デザイナーのACOさんのインタビューをお送りします。

ご覧のページの左上にあるKinzaのロゴ。そこにあるマークは、日本人ならだれでも知っている空想上の動物「麒麟」をモチーフにしていること、ご存知でしたか?なぜ麒麟がロゴマークになったのか、世の中に膨大な量のアプリアイコンが溢れる中でどのような存在感を目指したのか、色々お伺いしてみました。

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Kinzaのロゴはどうやって生まれた?

世界のソフトウェアロゴを分析して傾向を分類

――“ソフトウェアのロゴをデザインする”という注文を受けて、まずどのような点に注意してデザインしようと思ったのでしょうか?

世の中には誰もが知っているたくさんのウェブブラウザのロゴが存在しますので、そういったブラウザのロゴに負けないインパクトを出すこと、そしてブラウザのタブに表示される16ピクセルのファビコンや、デスクトップアイコンのサイズになっても十分な視認性や存在感があり、一方でウェブサイトなどに大きいビジュアルで掲載しても充分な密度を伴うデザインを心がけました。

デザインにあたっては、まずIE、Firefox、Opera、Chromeなど、世界中の著名なブラウザやソフトウェアのロゴを研究して、デザインの傾向などを分析してみるところから始めて、いくつかのパターンを導き出しました。そこから、Kinzaのロゴにふさわしいデザインの方向性を探っていったのです。

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世界のソフトウェアを分析すると、いくつかの方向性が見えてくる

――“ソフトウェアのロゴをデザインする”という注文を受けて、まずどのような点に注意してデザインしようと思ったのでしょうか?

あたりまえのことですが、ロゴデザインにたくさんの意義を持たせたり、メッセージを伝えようとしたりすることはとても難しいのではないかと思うのです。世の中の有名なソフトウェアのロゴに関しても、ユーザーはわりと漠然とした印象として認識していたり、おそらくデザイナーの意図通りではない捉え方をしたりしているものも多いのではないでしょうか。

なので、タイトルラベルとの掛け合わせで「なるほど、そういう意味か」と気づいたり、ソフトウェアを使っていく中でロゴに愛着を持ったり、そういった伝わり方ができれば成功ではないかと思いました。

テクニカルな面では、ソフトウェアのロゴデザインは良い意味でも悪い意味でも、OSのトレンドに引っ張られてしまう傾向があるので、他メディアのブランドアイデンティティよりは、ある程度の制限が伴うと考えています。例えば、iPhoneアプリやAndroidアプリのロゴは、バージョンアップするたびに方向性が変わって世界中のアプリのロゴがそれに合わせて変化していきますよね。一概に言い切れるとは限りませんが、例えば正方形に収まり易い形状であったり、立体感やグロス感のあり/なしがあったりなど、大まかな方向性は似てくると思います。

“日本橋から世界へ”という思いを込めた麒麟ロゴの原型

――Kinzaの初期デザインコンセプトを考案した際のエピソードをお聞かせください。

Kinzaのデザインコンセプトは、Kinzaというソフトウェアの特長や名前に込めた思いなどをロゴデザインの傾向合わせてデザインに落とし込み、5案ほど考案して開発者の皆さんとディスカッションしていきました。

まずはモチーフ自体に「日本」という特性を託そうと考えました。アブストラクトなものではなく、具体的でシンボリックになり得るものです。

中でも、「日本橋の麒麟像」というモチーフにたどり着いた際に、その麒麟像がもつコンセプトをKinzaにピッタリとオーバーラップすることができました。Kinzaという名前の由来である「金座」のあった日本橋。そして何より、Dayzさんのオフィスのある日本橋。そこを起点としながら、世界に羽ばたいていってもらいたい。「KIRIN」のデザインにはそういう思いを込めました。

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麒麟をモチーフにしたロゴデザインの初期スケッチ

完成ロゴの元になった麒麟をモチーフにしたもののほかには、手裏剣、小判、宝船、あとは海外からみたクールジャパンの象徴ということでアニメの大きな目なども候補にあがりました。

  1. 日本の昔話に登場する「宝船」をモチーフにした「TAKARA」
  2. 日本の刀や手裏剣をデザインに盛り込んだ「SHURIKEN」
  3. Kinzaの頭文字をモチーフにした「K」
  4. Kinzaが生まれた日本橋にある麒麟の銅像をモチーフにした「KIRIN」
  5. 日本のアニメ文化で特徴的な「瞳」をモチーフにした「EYE」

 

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Kinzaロゴの初期デザインコンセプト

人によりイメージする姿が異なる「麒麟」、どう表現するか

――ロゴデザインの方向性が「KIRIN」に決まってから、デザインのブラッシュアップではどのようなご苦労がありましたか?

「麒麟」という存在自体は日本人にも馴染みがあるものの、あくまで架空の生物ですので、実はみんなが同じ姿を思い浮かべるわけではないのではないでしょうか。なので、誰が見ても「麒麟」だと思ってもらえるようシンプルな形状に落とし込むのに苦労しました。別の生物に見えてしまうのをできるだけ回避できる構図や、パーツ、カラー、テクスチャをチョイスするように心がけたのです。

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デザインスケッチからブラッシュアップした過程

またカラーリングについては、Chromiumブラウザということで、当初はGoogle Chromeのようにカラフルな色味に寄せて考えていましたが、あまりKinzaならでは個性が表現できなかったというのと、そもそも「麒麟」をイメージしてもらうという目的が達成できそうにならなかったので、カラフルという方向性はボツにしています。

そこで初心に帰り、「Chrome」という言葉の響きからイメージできる“金属感”を出すことができ、且つ「金座」というKinzaの由来である言葉をイメージできる「ゴールド」を使うことにしました。加えて、日本橋にある「麒麟像」のもつちょっとダークな色合いで、ゴールドがビビットに映えるようにコントラストを組み立てました。

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カラーリングを施したロゴデザイン案

――「Kinza」というテキストロゴのフォントについては、どのような点にこだわりましたか?

ベースとなるフォント探しをするなかで、Kinzaのロゴが醸し出す“金属っぽさ”を出すために、当初は直線のみで構成されたシャープなフォントを第一候補にしていました。しかし、結果としてちょっと男っぽくなりすぎるデザインになってしまったのです。

ブラウザという男女に関係なく利用してもらうソフトウェアの特性上、ある程度の中性感を残したかったので、金属っぽさもありながら、少し柔らかいラインが入るフォントを選び直したところ、最終決定したフォントにたどり着きました。まさに、K、I、N、Z、A、というアルファベットで構成された形が、ちょうどいいバランスで並んだことが決め手になりました。

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グラフィックとテキストを組み合わせたロゴの最終候補(一番右下に決定しました)

――最後に、完成したロゴについての感想とユーザーへのメッセージをいただけますか?

完成したロゴには非常に満足しています。ロゴという小さいエリアに、濃縮された世界を表現する必要があるので、今回プロジェクトに関わらせていただき、デザイナーとしてのスキルアップにもつながったと思います。

いつもはウェブサイトやアプリケーション全体のUIデザインを請負い、その中でのロゴデザインをさせていただくことが多いのですが、今回はロゴのみのデザインということで、完成したロゴが製品やウェブサイトの中でどのように扱われていくのか、わくわくしながら制作することができました。

今後、Kinzaの普及が一層拡大するのに合わせて、誕生したロゴも多くの人に愛される存在に成長してくれたら、デザイナーとしてこれほど嬉しいことはありません。

協力:株式会社エーシーオー
取材:井口 裕右